5月から6月にかけて、自社の総会に加え、いくつかの団体の総会に出席する機会がありました。総会に参加しながら、ピーター・ドラッカーの言葉を思い出しました。
~成果をあげるリーダーは、「私」ではなく「われわれ」を考える。~
人口減少や価値観の多様化が進む現代において、多くの組織は会員数の減少や活動への参加者の減少という共通課題を抱えています。社会環境の変化はありますが、組織が停滞する原因を外部環境だけに求めることはできません。このような時代だからこそ、組織のあり方やリーダーの姿勢が問われるのだと思います。
ドラッカーは、リーダーシップとは権限や地位ではなく責任であると説いています。組織が活力を失うとき、その背景にはさまざまな要因がありますが、特に三つのことが重要ではないかと感じました。
一つ目は、「リーダーが自分中心になっていないか」です。組織のために尽くしているつもりでも、いつの間にか自分の考えや立場を優先してやりたいように押し通してしまうことがあります。すると、組織の方向性はメンバーの思いから少しずつ離れていきます。リーダーに求められるのは、「私はどうしたいか」ではなく、「われわれにとって何が最善か」を問い続ける姿勢なのでしょう。
二つ目は、「人の強みを生かせているか」です。ドラッカーは『経営者の条件』の中で、「強みの上に築け」と述べています。組織にはさまざまな経験や能力を持った人がいます。一部の人だけに役割が集中したり、若手が活躍する機会がなかったりすると、多くの可能性が埋もれてしまいます。人は自分の強みを認められ、活かせる場があるときにやりがいを感じます。その積み重ねが、人の成長と組織の発展につながるのだと思います。
三つ目は、「使命と貢献が見えているか」です。特に公益性の高い組織や職能団体では、「私たちは何のために存在するのか」という使命の共有が欠かせません。ドラッカーは、非営利組織において使命を明確にすることの重要性を繰り返し説いています。活動の意義や社会への貢献が目に見える組織には、人が集まり、誇りを持って関わり続けようとする強い力が生まれます。
組織の未来を決めるのは制度や仕組みだけではありません。人を信じ、人の成長を支えようとするリーダーの姿勢こそが、次の世代へと受け継がれる組織文化を育んでいくのだと思います。信頼を寄せられる組織に惹かれるのは、私だけではないのです。