神戸国際展示場・神戸ポートピアホテルで開催された「第32回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会」(9月11日~13日)に参加しました。地元・神戸で開催される学術大会に参加するのは、どこか嬉しいものです。全国から多くの医療・福祉関係者が集い、街中で学会参加者らしき方々を見かけると、「神戸での時間も楽しんでいただきたい」と思います。
この学会には、摂食嚥下に関わる多くの専門職が集います。今回も、摂食嚥下機能の低下予防やその回復を目指し、多職種がそれぞれの専門性を発揮しつつ連携する取り組みが数多く発表されました。職種が異なれば、当然、それぞれの持つ専門性や物事を見る視点も異なります。だからこそ、各役割と専門性を最大限に活かし、一つの目標に向かって力を合わせることに大きな意味があるのでしょう。
なかでも興味深かったのが、歯科衛生士のシンポジストによる多職種連携の発表です。
心理学者ブルース・W・タックマンが提唱した、チーム形成のプロセスを示す「タックマンモデル」をもとに、チームビルディングの過程を捉えた内容でした。歯科衛生士の仕事というと、どうしても知識や技術といった「臨床」に目が向きがちです。しかし、質の高い医療を提供するためには、人と人がどのようにつながり、チームとしてどのように力を発揮していくのかという視点も欠かせません。組織論や経営組織論などの考え方を取り入れながら、自らの実践を捉え、より良いチームづくりにつなげている歯科衛生士がいることを、とても嬉しく、頼もしく感じました。そして、特に印象に残ったのは、~チームが形成されていく過程では意見の違いや葛藤が生じる「混乱期」があるが、そのような状況になったときにも慌てるのではなく、冷静に受け止め、感情的にならず、「来たな!」と思える~と話されていたところです。組織の中で意見の違いや葛藤が起こると、ともすれば「うまくいっていない」と考えてしまいます。しかし、それをチームが成長していくために必要なプロセスの一つだと理解していれば、見える景色は変わります。「問題が起きた」のではなく、「チームが次の段階へ進もうとしている」。そう捉えることができれば、リーダーやチームメンバーの向き合い方も変わってきます。理論を知ることは、現場で起きていることを冷静に捉えるための「ものさし」を持つことでもあるのだと、改めて感じました。
年齢や経験に関係なく、学ぶべき人は周りにたくさんいます。新しい知識を取り入れ、理論と実践を結びつけながら、自分たちの仕事や組織を少し違った角度から見つめ直し、より良いものにしていこうとする姿勢に触れることは、とても心地よい刺激になります。
地元・神戸でまた一つ、これからの仕事につながる素敵な学びをいただいた3日間となりました。
2026.09.14